出来たてCha Siu Baau
ホーム » HKLF » 私の清々しい香港の朝がやって来ないわけ

私の清々しい香港の朝がやって来ないわけ

なんて清々しい朝だ。今日も一日、仕事を頑張ろう!

… 無い、無い、無い。

出張時に無理やり押し込まれる東京の通勤列車もかなり不快指数の高い代物だと思うが、
ここ香港ではとにかく人から受けるストレスが半端ではない。
朝の香港人。近寄るだけで何だか生気を吸い取られそうな負のオーラの塊である。

今回はそんな私が毎日のように遭遇してしまうストレスフルな香港人の中でも
最近特に私の精神衛生上影響力が大きいと思われる方々を抜粋して紹介したい。

おばあちゃんの貴重な朝の時間を邪魔する私?

私の一日は愛犬の散歩から始まる。

うちの周りは「自分が住みたいからここに住む」って人もそれなりに多いが、
「自分のワンコはここが絶対に気にいるはず」というような思い込みのもと、
愛犬を連れて香港中から集まってくるような人も多いドッグフレンドリーな環境にある。

だから朝の散歩の際には他の愛犬家たちにもよく出会うし、簡単な会話も発生している。
もともと犬という共通の話題があるし、新米ママたちがよくやる
「赤ちゃん(犬)の代わりにお母さん(飼い主)が赤ちゃん言葉で代弁して喋っちゃう」
形式で話すので何とも言えないぬるいムードの中、コミュニティが構築されているのだ。

そんな犬好き以外は絶対に近寄りたくない不気味な仲間意識の中、
一際私に関心を寄せる香港女性、ちょっと失礼だがおばあちゃんがいらっしゃる。

「あらぁ、うちのワンちゃんと同じ種類だし、毛色もそっくり。うちのワンコったらね・・・」
以下、書き始めたらキリがないのでここでは省略するが、彼女は私に話を切り出した。
同じ犬種を持つオーナーとは格別の親近感を感じてしまうものである。
しかもおばあちゃんと私の犬の毛色はちょっと特別で近場ではあまり見たことがない。

シェルティー
(手前の方ね、ブルーマールって言うみたい)

私もちょっと嬉しくなって、しばらくおばあちゃんと立ち話を楽しんだ。
彼女のワンコはおよそ2歳でとっても聞き分けがよく、しかし食意地が張っている。
約20分程度に及んだ彼女の話をおよそ集約すればそんな感じだった。
同じことを何度も何度も。私が口に出した言葉といえば「係咩?」をトーンを変えつつ50回程。

翌日の朝もおばあちゃんと遭遇した。そして、彼女は言うのだ。
「あらぁ、うちのワンちゃんと同じ種類だし・・・」
昨日、あんだけ語ったのにまた、である。
朝の忙しい時間だというのに私は再度彼女のマシンガン愛犬トークに拘束された。

その次の日も。さすがに最近になるとようやく覚えてくれたのか、
「同じ種類と毛色」のことには触れなくなったが、食意地の話以下の部分に関しては同じ。
お歳がお歳だけに何だか憎むに憎みきれない彼女の奇行なのではあるが、
唯一腑に落ちないのはさんざん喋りまくった後に急に顔色を変えて、

「あぁ、また長話しちゃったわ。私はそんなに暇じゃないの。迷惑しちゃうわ。」

とでも言わんばかりに急に去っていってしまい、いつも私一人ポツーンと取り残されること。
口から生まれた香港人たち。とめどなく続いてしまう会話は私に否があるのだろうか。
香港8年目だというのに、彼らとのコミュニケーションの取り方には未だに疑問が残る。

可愛い小姐に翻弄されるMTR

朝のMTR。
おそらく私はおばあちゃんの長話のあとで消耗しきっているし、起きてるんだか
寝てるんだか定かでないような面をして突っ立っているはずである。

「おはよう!」

あら、今出張中だっけ?ここ東京?

寝ぼけ眼な私の目の前にはおそらく今まで出会ったことのない若い香港女性。
ここ香港には日本語を話したり勉強したりしている人は多いが、おそらく彼女もその一人。
たどたどしい覚えたての言葉を組み合わせて何かを喋っているようだった。

もうすっかり香港ローカル社会とも違和感なく溶け込んでいる私を見つけて
日本人と見抜いてしまうなんて只者ではないし、若い女性が私のような男性に
自分から話しかけてくるなんて勇気がいったであろう。

そういう彼女の度胸は評価したかったし、何より一生懸命日本語を学ぼうとしていたので
たまに会えば電車の中でちょっとだけ日本語で会話をするようになった。
私にとっても、スマホいじるくらいしかやることは無いし、良い暇つぶしだったのである。

しかし。彼女の私に向けた要求は日に日にエスカレート。

「あら、東京出張行くの?じゃ、これ買ってきてくれない?」
「今度日本に旅行行くんだけど、ホテル予約の電話を代わりに。」等、続々と。
しかも、よくよく聞けば自分の旅行じゃなくて愛するマミーの旅行というではないか。

ちょっと親しくなったと思ったら何でもかんでも頼みたがるのが香港人。
いや、本当に仲良くなったらそれはそれで可愛らしいのだけど、
たかだか電車の中でたまに会ったら話をするくらいの仲。
私に言わせれば「勘違いしないでよ。」(どっちがだよ)である。

放工後の私も少し浮かれている時間帯ならまだしも、テンションの低い朝。
おばあちゃんの長話の話し相手→小姐のお世話係なんて明らかにキャパオーバー。
私にはやはり死んだような顔をして一人で乗るMTRがお似合いである。

 90後 vs ただのオッサン

そんなこんなでオフィスにようやく到着。
ここまで来れば、一安心。同僚の香港人たちもある程度良識のある行動をとるし、
私もシニアなんだからオフィス内ではある程度偉そうなフリしておけばいい。

・・・はずなんだが、そういう私の希望的情況と大きく逸脱する行動パターンを
とられる女性が一名いらっしゃるのである。しかも、なんと彼女の席は私の隣。

香港の名門、香港大学卒の秀才。努力家。
やはり新卒とは思えない仕事ぶり。
そして、誰にも媚びないクールな振る舞い。

優秀であるがために集まってしまう仕事で今季のピークシーズンは大忙し。
隣に座ってても分かるくらいピリピリしまくっている。
そんな彼女が出勤してくるたびに、私はドキドキしてしまうのである。

「早・・・」

ものすごい小声で挨拶してくれる日なんてまだいい。
席につく前からすでにテンパってて、周りの人には目もくれずなことだってある。
日本からやってきたシニアな私 と 80後、いやよく考えたら90後な彼女。
むしろ気を遣っているのは明らかに私の方である。

しかしこれ、海外ではよく出会う光景。
まず、若い世代が挨拶すらきちんと出来ないこと。
これは香港に限ったことでなくて、日本だって同じ。

ただ、ちょっと違うのは年上なだけ、役職がついてるだけじゃ偉そうにできないこと。
若い世代の信頼や尊敬を集めたいなら、彼ら以上に勉強して優秀でなくてはいけない。
ただただふんぞり返っているオッサンはオフィスでもただのオッサンなのである。

と、ひと通りこんなことを考え終わってから、毎日の仕事は始まる。
でもこうして書くと、ほとんどのストレスが自分次第でどうにでもなることだよね。

(Visited 947 times, 1 visits today)

この記事を書いたライターさん : HKLF

HKLF
Cha Siu Baau編集係。偏見に満ちた愛と独断で香港をぶった切る異色ウェブサイト「香港ライフファイル」著者でもあったりします。

2 コメント

  1. 朝のそのエネルギーだけでも尊敬です…

コメントをする

email addressは表示されません。 必須記入項目 *

*