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「監獄の島」と言ってはみたものの…。間違って乗船したからこそ知る「喜靈洲」のあれこれ

こちらに初めて書かせてもらいます、Leslieと申します。

さて以前、「中環碼頭最後の離島・坪洲に行ってみたら、玄人向けの島だった」に、「監獄の島に行っちゃったでござるよ」とコメントしたところ、少なからぬ方々に興味を持っていただけた様子。まあそういうことならばと、ここに披露するに至りました。

私は、1995年にひょんなきっかけで香港での勤労者の日々が始まり、2009年の年末ぎりぎりまで居座っていたという、けっこう長い居住歴を持っています。当然、香港永久居民と記されたIDカードも持たせてもらえています。
帰国後はどうにも「リハビリ」が進まず、家でラジオ聴く時はPCでRTHKとか商業電台とか聴きますし、いろんな料理にXO醤入れてしまいます(笑)。
要するに、「香港おたく」な野郎です。

では本題に入りましょう。

もう15年もいると、それが一体いつのときの思い出話か、記憶もあやふやになってきますが、多分、97年の香港返還のあたりだった思います。
「週末は島めぐりをしよう」と、社内の日本人スタッフ数名で何度か島めぐりをしました。これは、坪洲へ行ったときのエピソードです。
本来は、坪洲から長洲島にわたって夕方に海鮮食って、セントラルに戻って蘭桂坊で飲もう、みたいな計画だったと記憶しています。
坪洲には午後2時過ぎに到着したでしょうか。「たいして見どころのない島」というのは、坪洲在住の香港人スタッフから聞かされていたので、まったく期待はしてなかったんですが、まあそれは、期待を裏切らない何もなさで…。

ひと通り街というか村をうろついて、また埠頭のところへ戻ってくると、埠頭の脇から一隻の小型船がいままさに「船が出るぞ~!」な情況で、「なんでもいいから乗っちゃえ!」と、事情を知らない日本人が5人くらいワイワイと乗り込んだのであります。
船賃? さあいくらか船内で徴収されたかと思いますが、額は完璧に失念しています。
10分程度だったと思いますが、船は絶好の晴天となった海原を快適に滑って行きます。ほどなく目的地らしい島が見え、やがて船は粗末な埠頭と言うべきか桟橋とでも申しますか、そんなところへ到着。同乗の香港人たち(今にして思えば、やけに物静かな家族連れ数組)が桟橋にぞろぞろと…。

何も知らない私たちは、そんな「微笑ましい光景」をパチパチと「情け容赦なく」撮影していきます。私なんか蛇口にくらいついて水をガブ飲みする少年に「は~い、こっち見て~、がぶがぶ飲んで~」なんぞ暢気に声掛けながら撮影していました。今さらだけど、ごめんよ、少年…。

ほどなく制服着た人が出て来て我々に尋ねます。
「おたくら、日本人?」
「はい、そうですが」
「許可は取ってる?」
「は?許可?何の?」
「哎~~~!ここはねぇ、許可なく来れない所なのよ」
「哎~~~!阿Sir、まじっすか!それはそれは、えらいすんまへん!」
という次第で…。
制服さんは船頭さんに「なんで確かめないんだ!」みたいなお小言を言って、
「アナタたち、すぐ引き返しなさい」
と命令。「阿Sir」に命令されたからには、これはもう従うしかござんせん。

喜靈洲

2013年8月15日付『太陽報』より

写真の左下の方に伸びる緑色の埠頭らしきものが見えますが、我々が上陸した場所にこんなに建物はなかったと記憶していますので、別に来訪者が上陸するための桟橋があるのかもしれません。

監獄の島

けっこう大きな島ですよ。『街道指南』を見て一同びっくりしたのは、この日の最初の訪問先だった「坪洲」よりも大きな島ということでした。地理的に、今ならこの島から香港ディズニーランドの花火なんかも簡単に見えちゃうのですかね…。

坪洲で下船後のことですよ、そこが「喜靈洲」という島で、実は「懲教所」「戒毒所」の島だと知ったのは。誰かが最初に乗る前に『街道指南』で調べればわかったことなんですがね(笑)。あまりにも「船が出るぞ~!」的情況だったもんでつい…。
でも、これはいい経験でした。

以前にコメント欄で「監獄の島」と書いたのは、あくまでも、できるだけ平易な表現で、もっともわかりやすくお伝えするためで、厳密には「男性成年中度保安風險類別犯人(中程度に保安上危険な犯罪者?)」らを収容する「懲教所」と薬物中毒者の更生施設「戒毒所」がある島です。
ですから、犯罪以外の事情で薬物中毒になってしまったがために「戒毒所」に収容されている人には、「監獄島」という表現は申し訳ない次第であります。

現在、この島には
喜靈洲懲教所(男性成年中度保安風險類別犯人)
喜靈洲戒毒所(在戒毒所條例下接受戒毒及康復治療的男性成年吸毒者)
勵新懲教所(在戒毒所條例下接受戒毒及康復治療的男性年輕吸毒者)
勵顧懲教所(在戒毒所條例下接受戒毒及康復治療的女性成年及年輕吸毒者、女性成年犯人)
の4施設があるとのこと。(どんな人がいるかは文字からご推察ください)
さらに詳しくは…。いやこういう場所を詳しく知っても仕方ないですが、知りたい人は、特区政府「香港懲教署」のサイトに規模とかが出ていますので、お暇なときにどうぞ。

ちなみにこの島の「戒毒所」は、1975年までは「痲瘋病院」すなわちハンセン病患者隔離施設だったとのこと。やはり香港でも日本同様にこれくらいの時代まで、こういう施設は存在していたという歴史を知ったことも、間違って船に乗ったからこそでありましょう。

そうそう。
その後は記憶に間違いがなければ、長洲島で海鮮を楽しんだはずです…。
ただ、喜靈洲の衝撃があまりにも大き過ぎて、すっかり失念であります(笑)。
でも、島めぐりは香港の大きな魅力のひとつですから、在住の方はもちろん、これから旅行で行く方もぜひ楽しんでください。少なくとも拙文をお読みいただいたことで、喜靈洲に上陸することは無いでしょうから(笑)。

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この記事を書いたライターさん : Leslie

Leslie
返還をはさんで15年の在住歴あり。ちなみに私の名前Leslieは、張國榮のことではなく、BCRのレスリー・マッコーエンのことです(笑)。

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