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翻唱天堂廣播臺

翻唱天堂廣播臺

皆さんご承知のとおり、かつて香港はカバー曲天国、海賊盤天国でした。もっともアジアはどこでもそうだったのですが。

私が香港に足を踏み入れた37年前も、日本の曲に勝手に広東語の歌詞を付けて売り出すという、版権無視がまかり通っていました。

さて、私なりにカバーバージョンと海賊盤の違い、および重なりをちょっと考えてみました。

カバーバージョン:
著作権、著作隣接権は基本的に考慮している。但し、国際著作権条約に加盟していない場合は無視。
普通は他の歌手が歌うが、近年はセルフカバーも盛ん。

海賊盤:
著作権、著作隣接権は完全に無視。
普通はその歌手本人が録音したもの。つまり音源自体は本物であるが、そのコピー商品であることが多い。

70年代末ころまでに香港で売られていたカバー曲は、本人の歌唱ではないけれど版権を無視していますから、やはり海賊盤に分類するのが妥当なのだと思います。しかし、まったく別の歌手が歌っているのでカバー曲です。

どっちも当てはまるなぁ。

昔の香港の海賊盤レコードは、とりあえず本物を一枚買ってきて型取りして、塩ビを流し込んで完成という恐ろしく雑で荒っぽい作り方をしていました。音質は推して知るべしですね。
しかし、カセットテープの出現によって海賊盤レコードはすっかり駆逐されてしまいました。カセットテープなら編集も出来ますし、ダビングに時間はかかるものの、音質はレコードより格段に向上したんですね。

私が最初に興味を持ったのは、千昌夫「北国の春」のカバーでした。どこで小耳に挟んだのかは覚えていませんが、「北国の春」を広東語で歌っている人がいる、と聞きつけて私が一番最初に買ったカセットテープです。
翻唱天堂廣播臺

これのA面一曲目が「北国の春」です。
薰妮「故鄉的雨」

この歌を飽きもせず毎日聴いておりました。
ちなみに他の曲も紹介しておきます。

A面
1.故鄉的雨
2.難辦我方向
3.未明你的心
4.想也想不到
5.讓夕陽照耀
6.紅燭淚

B面
1.前程在手裏
2.願我似浮雲
3.往日夢
4.偏偏想起你
5.假面具
6.可惜愛非所愛

実はこのテープ、カバーだらけだったんです!
当時小学生だった私は気付かなかったんですが、ネット検索のおかげで収録された曲が次々とカバーだと判明しました。

A2. 難辦我方向→ 三橋美智也「おさらば東京」※麗莎「少女情懷」も同じ曲

A5. 讓夕陽照耀→ ジュディ・オング「美しい伝説」

B2. 願我似浮雲→ チェリッシュ「ペパーミント・キャンディー」※汪明荃「愉快愛歌演奏」も同じ曲

B3. 往日夢→ フレディ・アギラ「ANAK」※徐小鳳「三分,七分」、譚詠麟、鍾文康「孩兒」も同じ曲、日本語盤で杉田二郎「息子」もある



B4. 偏偏想起你→ ジュディ・オング「Tokyo0051」

B5. 假面具→ カーペンターズ「マスカレード」

B6.可惜愛非所愛→ 森昌子「春の岬」

なんと12曲中8曲がカバーでした。
実はB1. 前程在手裏以外は作曲者の記載がなく、もしかしたら残りの3曲も私が知らないだけで実はカバーかもしれません。
どなたかご存知でしょうか?

A3. 未明你的心

A4. 想也想不到

A6. 紅燭淚

「紅燭淚」はコテコテの中華メロディーなのでカバーではなさそうですが…。

この「故鄉的雨」を聞いてからはすっかり広東語歌謡にハマり、小遣いを貯めてはテープ購入にいそしんだのでした。
しかも買うテープ買うテープに必ず何らかのカバーが入っているんですよ。別にカバーを目当てに買ったテープではなくとも、頼みもしないのにあれもカバーこれもカバー。良心的なレーベルは歌詞カードに作曲者の名前を記載してくれていて判別に助かりました。日本の作曲家の貢献っぷりは半端じゃないです。

こうしてカバーとオリジナルを聞き比べるのが、私のライフワークと化しています。カバーと判明しているだけで800曲以上、多分1,000曲を越えるであろう事は想像に難くありません。

「故鄉的雨」は更に他の歌手にもカバーされています。大陸の歌手も含めると、判明しているだけでも鄭子固、張偉文、鍾文康、曼里、劉亮鷺、潘秀瓊、劉珺兒。しかも劉珺兒なんて「情深海更深」という別の題名で歌詞を少し変えたバージョンもあり、節操ないことこの上ない。

しかし、これに驚いてちゃあいけません。上には上があります。

中島みゆき「ひとり上手」、これのカバーを最初に歌ったのは鄧麗君テレサ・テンなのですが、彼女の2枚しかない広東語アルバム「漫步人生路」の一曲目(題名同じ)に収録されています。

これを更にカバーした歌手は…
劉德華、郁可唯、曼里&王聞、劉亮鷺、童彤、古璿、夢之旅演唱組合、劉珺兒、芳華十八、鄧瑞霞、陳潔麗、董文華、貝貝、黃紅英、張偉文、溫拿五虎、董岱、王菲、劉惜君、龔萍、張燕妮、仟仟、陳佳、段品章、鍾明秋、黃日華,戚美珍。「誰在欺騙我」の題名で張德蘭。

調べたのは去年なので、また増えているかも…。
それからそれから…、とても一回では書ききれないので、この記事は好評不評に関わらず続編を書くことにします!

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この記事を書いたライターさん : Shin-EI

Shin-EI
昔むかし香港で暮らした経験がある日本人。乗り物とCDとカセットテープが大好き。

2 コメント

  1. 薰妮は「字ずら」だけは懐かしいのですが、残念ながら私の在住中には、テレビなどに出演して歌っているのを見た覚えがありません。
    鄧麗君も在住開始1か月前に亡くなりまして、そうなると徐小鳳が「最後の砦」みたいな存在でした。幸いにも(笑)、徐小鳳は21世紀になっても、紅館でライブを開いたりと、精力的でしたので。余談ながら、徐小鳳がなぜかドレス姿の松山恵子に見えてなりません(笑)。

    • Shin-EI

      薰妮は2001年のアルバム「勁舞的女孩」(唯一の北京語)を最後にリタイアしてしまったようです。97年に二枚、98年に一枚ベストアルバムが出ていますが、その前のオリジナルアルバムは85年の「玻璃牆上的一吻」ですから随分間が空いてしまっています。
      徐小鳳はすごいですね。デビューは1969年で、それからずっと現役なのですからもう40年以上です。さすがに新曲は93年以降は出ていませんけど。昨年は5年ぶりに紅館でコンサートを開いています。

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