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遠い街、香港

遠い街、香港

気軽なフライト

私は香港に5月に転勤してきたその日、いや正確に言うとその転勤から、香港の洗礼を浴びたので、記念すべき第1回目の記事はその話から始めたい。

東京から香港、フライトは約4時間。 全然遠くない。毎日何便も飛んでいるどころか、ちょっと体には辛いけれど夜行便に乗れば、朝現地に着けて時間をとても有効に使える。
香港へ移動するフライトも、そんな気持ちで気軽に思っていた。一時良く乗っていたヨーロッパへのフライト12時間とかより天国じゃん。

香港に移動する飛行機を選ぶにあたって、選択肢は次の3つがあった。
1 JAL
2 ANA
3 キャセイパシフィック (香港の航空会社)
どれも、同じような時間に羽田を飛び立ち、2時ごろ香港着。その日に、携帯を契約するなどなど、生活の準備が、ほんの少しだけれど、できる。好きなのを選んで良いというので、せっかく香港にこれから住むのだし、と、キャセイを選んだ。

いざ飛ばん

弊社は、昔々、海外転勤がちょっぴり特別だった時代の名残で、海外転勤の往復のフライトだけは、ビジネスでも良いことになっている。というわけで、羽田空港にあるキャセイ自慢の上級クラス用巨大ラウンジに寄り道して、担々麺を堪能して、いざ搭乗口へ、と。香港わくわく。

しかし、飛行機は搭乗口にすでに横付けになっているのに、搭乗時刻になっても、何も起こらない。
予定されていた出発時刻になったところ、アナウンスが流れた。
「現在、機材の確認中です。少々お待ち下さい」。

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何とも不安な話ではないか。
この確認をしくじったら、飛行機は香港への快適なフライトどころか、海の上に落ちてしまうかもしれない。キャセイには良く確認をしていただきたい。

と同時に、こんなこと言っている場合ではない。
新しい出発時刻が、ちっとも案内されていないからだ。
私のこれまでの旅行で得た経験が正しければ、新しい出発時刻、要するにどれくらい遅れるか、航空会社によって予告された時刻よりさらに遅れて、飛行機というものは空に飛び立つものである。
今回みたく、何も言ってこないなんて、危険度が最も高いパターン。
キャセイにもいつ飛ばせるか予想なんかつかないから、遅れを知らせてこない、というか、知らせられないのである。

約1時間後、私の予想は見事当たり、キャセイは次の2つの荒技を繰り出してきた。
1. とりあえず飲み物と簡単な食事を並べる
2. フォークリフトを持ってきて、飛行機から機内食やら乗客の荷物やらを運び出す
1.はいわゆるブロイラー作戦。遅れに不満を持つ乗客も、胃袋さえ満たしておけば苦情も少ないというもの。2.は、他の便への振り替えをキャセイが真剣に考え始めた証。いずれも、当分は飛行機が飛ばないどころか、欠航にされてしまう可能性すら示唆する、とんでもない兆候である。
さすがに私も焦り始めた。
ただし、焦ったと言っても、何をしたわけでもなく、ビジネスの特権を発動し、ラウンジに逆戻り、空腹を満たすべく、また担々麺を食べ始めたくらいである。

交渉しようとする

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それにしても何も起こらない。どころか、一部の乗客は、成田空港から夕方に香港に飛び立つ、別のキャセイ便に振り替えてもらっている始末だ。
一応今日はただの移動日とはいえ、早く香港に着きたいし、できれば携帯を契約したり住むところを確認したりしたい。まして翌日のフライトになっては、実際のスケジュールに支障をきたす。さすがに私も、振替の交渉をすることにした。
ラウンジにもカウンターが設けられており、スタッフを囲んで人だかりができている。ここで交渉できるみたいだ。と思ったら勝手が違う。
カウンターのスタッフのうち、我々の要望と空席状況を照合し、新しいチケットを発券する権限があるのは、どうやら一人だけ。他のメンバーは、いちいち彼女の判断を仰がなければならない模様。
この時点で日本時間で時刻はすでに2時近く。そろそろ飛行機は香港上空に差し掛かっていたりするはずだったのに。他の乗客、特に、日本人のおじさまたちはたいへんご立腹で、もはや、何か交渉して香港に早く着くとかそういうことはどうでも良く、集団でただスタッフに食ってかかっているだけとなっていた。

大陸からのお客様は、中国語ができるスタッフを取り囲み、たいへん厳しい口調で何か糾弾していらっしゃいました…..

こんな時に感心すべきはイギリス人たちである。
夕方の羽田からの香港行きは早々に満席、成田空港からのフライトも満席、自分の飛行機は飛びそうにない、以上により当分はこのラウンジで過ごせることが確定するや、交渉は放棄。ビールまたはワイン片手におしゃべりタイム開始。「急いでもしょうがないよ」。何とハートウォーミングな一言だろう。
そんな言葉にあっさり影響された私も、おじさまを押しのけて交渉するのを諦め (というか、何か頼もうとしても、なぜかおじさまたちに順番を横入りされてしまう)、キャセイ自慢のラウンジを堪能することにした。
一体あの日に、何杯、キャセイのヌードルバーを食べたのだろう。一杯が、香港の食堂のワンタンメンもびっくりな小ぶりさなので、一食分には3杯くらいは食べないと足りません。私の朝食と昼食と夕食を賄ってくれてありがとうございました。麺好きには至福の時でした、飛行機が遅れた以外は。まろやかなゴマの風味漂う担々麺が一番美味しかったです。
ついでにワインバーにも通いました。こちらはヌードルバーからは少々歩きます。キャセイの羽田ラウンジ、広いので。いろいろ説明してくれた難しいことはわかりませんでしたが、美味しいワインをたっぷり頂きましてご馳走さまでした。

ヌードルにもワインにもさすがに飽きた頃、ようやく我々のフライトの順番がやってきた。結局、夜に羽田に着いた飛行機が、本来なら翌朝香港に引き返すところ、急遽、待ちくたびれた我々を香港に連れて行ってくれることになった。
もともと乗るはずだった飛行機は、羽田空港の片隅でポツンと放置されていた。彼女は一体どうなってしまうのであろうか。

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搭乗時刻は日本時間で10時半、ちょうど半日の遅延、香港に行って帰ってくることもできるほどである。同じ時間にヨーロッパに向けて飛び立った飛行機はすでに現地に到着済み。いや、そもそも、無難にJALやANAを選んでいれば、今頃香港のホテルで、明日以降に備えて早めに就寝している頃だったのである。

ここからは、きっと人生で1回しかないビジネスクラス搭乗記、と言いたいのだが、、
なんせ飛び立ったのが11時ごろ、夜型の私も、なんだか疲れてしまい眠い状況で映画やら何やら観る気も特に起こらず、うっかりヌードル等を食べ過ぎてしまい、機内食にもあまり食欲が出ない、という始末で、正直、機内の記憶があまりない。気がついたら、香港空港に到着していた。

時刻は現地時間ですでに2時。午前の。
早々にタクシーでホテルに向かい、就寝したのが3時を過ぎていたのであった。

翌朝は9時半から、香港IDカードを取りにイミグレに行かなればならないという、睡眠不足から始まる大変過酷な香港初日が待っているのであった。

今思えば、飛行機から機内食を下ろしているのに気がついた時点で、速やかにフライト変更を申し出れば、おそらく、他の香港便には乗せてもらえたように思われる。日付が変わる前には、ベッドに入っていたはず。
悠長に構え、ヌードルとかに食い意地張っていた私が悪いのであった。
トラブル遭遇時、対応は、速やかに、でございます。

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この記事を書いたライターさん : hiro

hiro
香港に住みつつ、中国との間を行き来しながら日々を過ごす日本人。まだきょろきょろしながら香港をよちよち歩いています。

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