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翻唱天堂鄧麗君編

翻唱天堂鄧麗君編

またまた翻唱天堂シリーズ。
今回取り上げるのは鄧麗君。
はて、台湾の歌手であるテレサに広東語の歌なんてあるの?と疑問に思われる方もいるかもしれません。でもちゃんとあるのです。数は少ないですが。

さて、テレサの唄った曲で「香港」がテーマになっているのは3曲あります。
《香港假期》(國語アルバム「第一次見到你」、1973年)
《香港の恋》(日本語アルバム「ふるさとはどこですか」、1977年)及びそのセルフカバー《香港之戀》(國語アルバム「香港之戀 島國之情歌第四集」1977年)
《香港~Hong Kong~》(日本語シングル、1989年)

香港がテーマなのに広東語が無いんですねー。
香港の音楽マーケットは1970年代半ばまではほとんどが國語歌で、あとは英語と広東語がぼちぼちでした。
テレサも國語歌で充分商売になったのです。

しかし、1974年に許冠傑が広東語アルバムの《鬼馬雙星》をリリースして以来、ポップスの主役は広東語に移って行きます。
テレサの中国語レコードは膨大な数があるのですが、ほとんどは國語歌で、広東語アルバムは3枚しか出ていません。しかもその3枚のうち1枚はベストアルバムなので実質的には2枚です(それでベストアルバムを出しちゃうところはスゴイ)。

広東語ポップスのマーケットは香港がメインですから、言葉は悪いですが大した規模ではありません。
それでも1970年代後半からのマーケットの伸張は著しく、テレサのプロデューサーも流行に乗り遅れたくなかったんだと思います。
もしかしたら、香港の背後にある広東省7000万人のマーケットを睨んでいたのかもしれませんね。

広東語アルバムは「勢不兩立」(1980年)と「漫步人生路」(1983年)の2枚で、日本のカバー曲は5曲(厳密に言うと4曲。理由は後述)あります。

歌手名(あいうえお順)/「曲名」/《カバー曲名》

さとう宗幸/「北の旅」/《向日葵》

同一タイトルカバー曲あり。
關正傑/《向日葵》
區瑞強/《向日葵》

さとう宗幸のカバーはほかに、「青葉城恋唄」、「忘れ言葉」、「SONG」があります。

中島みゆき/「ひとり上手」/《漫步人生路》

同一タイトルカバー曲あり。
劉德華、郁可唯、曼里&王聞、劉亮鷺、童彤、古璿、夢之旅演唱組合、劉珺兒、芳華十八、鄧瑞霞、陳潔麗、董文華、貝貝、黃紅英、張偉文、溫拿五虎、董岱、王菲、劉惜君、龔萍、張燕妮、仟仟、陳佳、段品章、鍾明秋、黃日華&戚美珍、鄧瑞霞&鄧冠維

別タイトルカバー曲あり。
張德蘭/《誰在欺騙我》

「ひとり上手」は30人ほどの歌手・グループにカバーされており、恐らくは日本の歌で最多です。まだ増えるかもしれません。
ちなみに、張德蘭《誰在欺騙我》のほうが先にリリースされています。

中島みゆきのカバーはほかに40曲ほどあります。
日本人アーチストとして最多です。

細川たかし/「北酒場」/《遇見你》

別タイトルカバー曲あり。
張偉文/《讓我醉》

細川たかしのカバーはほかに、「心のこり」、「置き手紙」、「矢切の渡し」があります。

八代亜紀/「女の街角」/《雨中追憶》

八代亜紀のカバーはほかに、「カラス」、「なみだ恋」、「もう一度逢いたい」、「雨の慕情」があります。

ロス・インディオス&シルビア/「おもい手」/《忘記他》

同一タイトルカバー曲あり。
關淑怡、劉惜君、王菲、趙莉、小娟&山谷裏的居民、李國祥、鄧瑞霞、陳潔麗、如夢、呂珊、區瑞強、李依娃、劉雅麗、陸宣辰、曾子、何藝妮、仟仟、李梅、東方神秘團、李月華、貝貝、許健、黃紅英、江希文、楊曼莉、李婭莎、徐雯

実は「おもい手」は、ロス・インディオス&シルビアのカバーではありません。
オリジナルはテレサのほうで、ロス・インディオス&シルビアのほうがカバーしたのです。
ロス・インディオス&シルビアがこの曲を歌うことになった経緯は不明ですが、ムード歌謡の雰囲気がはまっていて、まったく違和感を感じません。

この曲は作詞作曲ともに黃霑が手がけています。作ってからしばらくの間お蔵入りしていたということですが、テレサの持ち歌として日の目を見ました。
黃霑は日本での知名度はあまり高くないかもしれませんが、作詞家、作曲家、司会者、俳優、作家、プロデューサーなどマルチに活躍していた超有名人です。
私の印象では大橋巨泉と青島幸男を足して2で割った人という感じですが、その人生はあまりにも濃密過ぎたのか、早世しています。

ロス・インディオス&シルビアのカバーはほかに、「別れても好きな人」、「うそよ今夜も」があります。
シルビア加入前のロス・インディオスのカバーには「コモエスタ赤坂」があります。

 

さて、翻唱天堂シリーズでは基本的に広東語カバーを紹介しています。とはいえ、テレサの日本曲カバーは圧倒的に國語歌が多いので、本来ならそちらを紹介するのが筋じゃんと思ったりもするのです。しかし、國語のカバーは少なくとも70曲くらいあると言う話で、もしかしたら100曲くらいあるかもしれません。
國語アルバム「島國之情歌」シリーズはその内容のほとんどが日本曲のカバーで、足掛け約10年で8枚もリリースされています。このシリーズは全部買いましたけど、ほかにも日本曲カバーは多数ありますので、探しきれるかどうか?
特に1960年代に台湾でリリースされたレコードは入手困難なだけでなく、動画をupしてくれるような奇特な人もそうそういるとは思えませんし。

 

テレサが日本語でリリースした歌を國語でセルフカバーし、さらに別の歌手が広東語でカバーした歌は8曲確認出来ています。(なんかややこしい…)

「夜のフェリーボート」《你在我心中》
薰妮/《情心怎分享》

「空港」《情人的關懷》
張德蘭/《留住他吧》

「ふるさとはどこですか」《小村之戀》
甄妮/《這是個約會》

「こんな女」《那句諾言》
關菊英/《一句諾言》

「時の流れに身をまかせ」《我只在乎你》
鄧瑞霞 /《我只在乎你》

「時の流れに身をまかせ」《我只在乎你》
周影/《讓我愉快愛一次》

「暗くなるまで」《黄昏裡》
陳浩德/《跑呀跑》

「手紙」《一封情書》
楊小菁/《夢中一句話》

「冬の階段」《又見雪花》
關菊英/《必須分別》
http://bd.kuwo.cn/yinyue/2698313?from=baidu

さらに、テレサが國語で日本の曲をカバーして、それをまた別の歌手がカバーした例も多数あります。(もっとややこしい…)
そしてその広東語カバーをまた別の歌手が國語カバーしたり。(もうほとんどカオス…)
テレサに関わるカバーをすべて整理してまとめるのには、何年もかかりそうです。

 

おまけの國語カバー《香港之戀》。
オリジナルの歌詞は別れ歌なのですが、カバーの歌詞は香港の風景を唄っていてまるで違います。香港をXiang GangではなくHong Kongと唄っているところがいいですね。

テレサが亡くなったのは1995年5月。ちょうど22年経ちました。
香港にあったテレサの自宅はもう無いけれど、いつか台湾のお墓には行ってみたいと思っています。

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この記事を書いたライターさん : Shin-EI

Shin-EI
昔むかし香港で暮らした経験がある日本人。乗り物とCDとカセットテープが大好き。

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